どうしてこんなにも生きるのが大変なのか?
以前の会社のメンバーの話ですが、その方はとても仕事ができるし人当たりも良いのですが、ちょっと理想を追いすぎる部分がありました。
いつもベストを尽くして、他人に悪いところは見せられないと思って奮闘している頑張り屋さんです。
仕事の絶対量もありますが、その方のしんどさの真因は「こうあらねばならない」ということに囚われすぎているからだと感じていました。
「人からこう見られることは耐えられない」とか「自分のポリシーが許さない」「理想の状況でないことが許せない」などの自分に対するこだわり。
また「あの人はこうするべき」という他人に対するこだわり。
つまり「こうあるべき」という考えがあり、必死に「こうあるべき」を目指して自分に鞭を打ったり、他人に鞭を打つ。
しかし状況が変わらない。いつまでたっても変わらない。
だから果てしなく感じて、しんどくなるのではないでしょうか?
ではどうすれば楽になるのか?
楽になるには「こうあるべき」というのを捨ててしまうことだと思います。
「こうあるべき」を捨てて「~でもいいや」とゆるーく考えることで格段に楽に生きられます。
私も顧客や社内から信頼を得るために、頼りになる人だと思われるために土日返上、早朝から深夜まで死ぬほど働いた時期がありました。
他の優秀な社員に遅れないように必死にもがきました。
でも、メンタルがぼろぼろになり、家庭もおかしくなり、限界まで来たとき無理だと思ってあきらめました。
他の人ほどうまくいかなかったけど自分としては十分頑張った。
抜群の結果は出なかったけど自分としてのベストは尽くしたので、もうそれでいいやと思ってあきらめました。
「自分はそれぐらいのレベルなんだ」「しょうがないや」「それでいいんだ」「人からダメだと思われてもいいや」と思えてから一気に人生が楽になりました。
それが「ありのままの自分」を認められた瞬間だったんだと思います。
そしてだんだんと「そのままの他人」を認められるようになってきました。
人は他人を無理やり変えられない。
その人の人生の責任はその人が負う、だから「間違っている」と思っても過剰に関与しないように気を付けています。ここら辺の考え方はアドラー心理学の「課題の分離」からきています。
親でも子供でも伴侶でも友人でも、他人は他人。
死ぬときはみんなひとりで死んでいきます。
他人をコントロールすることはできない。
できる限りのアプローチをしてそれ以上はあきらめる。それが大切なのではないでしょうか?
まず自分を大切にする。そして他人を大切にする
「自分を大切にしよう」とよく言われます。
自分を大切にするとはどういうことなのか?
「良く頑張った時は自分へのご褒美をあげましょう」とか書いてある自己啓発の本があります。
それも自分を大切にする行動の一つですが、本当に自分を大切にすることとは、
「ありのままの自分を認める」
ということではないでしょうか?
ダメな自分、中途半端な自分、できない自分に対して自分自身が鞭を打つのではなく、「今はそれでいいよ」「仕方ないよ」と認めてあげることだと思います。
「それじゃあ怠け者になってしまうのではないか?」と思われるかもしれません。
でも、生きにくさを感じているまじめなあなたには、それぐらいがちょうどいいのではないでしょうか?
本当の怠け者は生きにくさなんて感じないで「他人が悪い」「環境が悪い」となんでも他責にしている思います。
苦しさを感じて必死になっているまじめな人は、頑張って「ダメな自分をそれでいいよと認めてあげる」ことが必要だと思います。
そして自分を大切にすることがどのようなことかがわかり、それが実践できるようになると他人を許せる余裕が出てきます。
人って誰もが完ぺきではない、欠点だらけだということが解ってから、初めて本当に人にやさしくできるようになるのだと思います。
人のダメさ加減をグッとこらえて許すのではなく、「人それぞれだから仕方ないよね」と、ホンワカ認めてあげられる状態になるのだと思います。
<まとめ>
楽に生きるためには以下を意識するといいかもしれません。
- 自分に対しても他人に対しても「こうあるべき」という考えを捨てる
- 自分に対しても他人に対しても「これでいいんだ」「仕方がない」「それぐらいの人間なんだ」とあきらめる
- 「自分を大切にする」とは「ダメなところも含めたありのままの自分を肯定すること」
- 自分を大切にできて初めて、本当に他人にやさしくできる。他人のできていない部分も心から許してあげることができる
- 他人を許せない人は自分を許せていない人(自分でも気づかないうちに、できていない自分や理想と違う自分を責め続けている人)
ではでは!