大手転職サイトの職務経歴書の書き方を読んで職務経歴書を書いたのに、ことごとく書類選考で落とされて悩んでいる方は少なくないと思います。
まずは書類選考を通過しないと勝負は始まりません。
受かる職務経歴書とはどのようなものなのか、ここでは書類選考を通過できる職務経歴書の書き方の基本をお伝えします。
1.どれぐらいの量が適切か?
その人のキャリアによって異なりますがA4で最低2ページ、平均3ページ、多くても5ページ以内に収めるのがいいと思います。
ただ、多ければ多いほうが良いわけでは決してありません。
不要に詳細すぎる職務経歴書は目立った業績がないのに一生懸命良く見せようとしているように思われて逆効果になります。
だらだら書くのではなく、中身のある3ページを意識しましょう。
※4~5ページ書いても良いのは転職回数が2回以上の方です。転職回数がそれ以下の方は3ページ以内に収めるのが無難です。
2.職務経歴書の要素
転職サイトやエージェントが提供しているひな形を参考にしましょう。私が転職した時(40代前半・後半の2回)は大きく分けて次の要素で書きました。
(1)職務経歴(最新のキャリアを上に、古いキャリアを下に)
(2)自己PR
①保有しているスキル、資格、知識、強み
②自分のキャリアにおいて一貫して大切にしていること(ポリシー)
職種別の具体的な書き方やフォーマットの例は以下サイトに詳しい情報があるので参考にしてみてください。
doda 「職務経歴書の書き方 完全ガイド」
マイナビ転職 「職務経歴書の書き方マニュアル完全版」
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3.具体的な作成の手順
職務経歴書は自分自身の最大のプロモーションツールです。
時間をかけて最高のものを作り上げることが書類選考通過の確率を高めます。
以下の手順を参考にしてあなただけの最強の職務経歴書を作ってください。
<職務経歴書の作成手順>
(1)自分の経験の棚卸(正確に調べる)
(2)書くことの整理
(3)執筆
(4)ブラッシュアップ
(5)企業別の微調整
(6)更新
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(1)自分の経験の棚卸(正確に調べる)
自分の経験を振り返り、時系列で書き出しましょう。
その時どんな会社・部署で仕事をしていたのか、どんなことが大変だったのか、どんな成功・失敗があったのか、何を努力したのか、丹念に思い出して全てメモしましょう。
静かな場所でじっくりと時間を取って、社会人デビューから今までのキャリアを振り返ります。注意する点は以下です。
・入退社や異動の日時はとにかく正確に。整合が合うようにきちんと調べる
・固有名詞などは正確に
・部署、仕事を振り返り、得た経験・スキル・知識を整理する
・具体的な数字を入れる
・とにかく業務を細分化する
・その時のミッションや目標は何で、どんな計画を立てて、どのような障害があって、どうやって対策したかまで思い出す
小さなことでも全て書き出しましょう。
これまでのキャリアをじっくり振り返ることで「自分もそれなりに頑張ってきたなー」と感じると思います。
そして「まだまだできる!」という思いが湧き、転職活動のモチベーションアップにもつながります。
(2)書くことの整理
(1)で書き出した職務経験を職務経歴書に書きだしやすくするために整理します。整理の仕方は、以下を参考にしてください。
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【在籍していた会社 & 在籍期間】
■在籍していた部署名 & 在籍期間
・その部署での職務・経験 (経験年数)
・その職務・経験の成果(業績数値等)
・その職務・経験で得たスキル・知識
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良く言われていることですが「職務・経験の成果(業績数値等)」はできる限り数値を交えて具体的に書くのが良いです。
また、マネジメントの経験は、
・役職名
・管理する部下の人数や雇用形態(正社員・契約社員・派遣社員・パート等)
・マネジメントの役割(業務指導、勤怠管理、目標設定、評価をするかしないか等)
を記入しましょう。
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(3)執筆
(2)で整理した情報をひな形(フォーマット)に落とします。エージェントにはWord形式の標準的なひな形があるのでそれを活用するとよいでしょう。
Wordは勝手に箇条書きになったり、列の幅の調整やインデントにてこずったりするのですが、ここは頑張って出来る限りきれいな体裁を目指してください。
また、書き終わったら何度も見直して、誤字脱字・間違いがないか?年代上の矛盾がないかをしっかりチェックしてください。
また、職務経歴一覧の後ろ(または前)に、自己PRを加えます。自己PRの要素は
①保有しているスキル、資格、知識、強み
②仕事に対するポリシー、自分のキャリアにおいて一貫して大切にしていること(あなたらしさ)
で記述するのがおすすめです。
①保有しているスキル、資格、知識、強み
■スキル
【営業・マーケティング系】
・対応できるクライアントの企業規模、カウンターパートの職位
・有形物・無形物
・ソリューション内容(定型拡販orカスタマイズ対応)
・他社協働の有無・内容
・マーケティングへの関与度合い
(セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニング・プロモーション)
【技術系】
・保有している技術的知識
・企画/設計経験年数
・使える機器・専用ソフト・ITツール
・上流工程にどれだけ携われるか
・セールス・マーケティングとの協業として何ができるか
■資格
資格は必ず正式名称で記述すること、また取得年月日も必ず記入しましょう。
マイナーな資格でも書いたほうが良いですが、その場合はその資格の認定機関名も書いておきましょう。
②仕事に対するポリシー、自分のキャリアにおいて一貫して大切にしていること(あなたらしさ)
②はあなたらしさそのものなので、これまでのキャリアをじっくり振り返って「自分らしい良い点」を書きましょう。
実はここの内容や書き方がその人の人となりや大切にしていることが一番よく表れるので採用担当や面接官がとても注目する部分なのです。
「あなたはこんな人」ということがわかってもらえるように、本当のことを率直に書きましょう。
【書くことの例】
・とにかく成果にこだわり成果を出し続けてきた
・世の中にインパクトを与えることを常に考えてきた
・物事を本質的に考えることを大切にしてきた
・考えすぎず、まず実行することを大切にしてきた
・一つ一つの仕事を丁寧に実施し、着実に成果を出した
・自由な発想で過去にとらわれないアイディアを出すことが得意
・とにかく顧客や仕事相手のニーズを大切にしてきた
・職場の仲間の和を大切にしてきた
・緻密に考えることが得意
・人の模範となることを心掛けてきた
・人や職務に誠実であることを心掛けてきた
・地道な作業を着実に行うことで大きな実績を出した
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(4)ブラッシュアップ
これは非常に重要なので必ず行ってください。
具体的には信頼あるエージェントのコンサルタントに見せてアドバイスをもらい、修正するということです。
自分では完璧でも気づかない改善点を必ず見つけてくれます。
そしてぜひそのアドバイスを素直に反映してください。
(5)企業別の微調整
上記作業で、初めにいわゆる「全部盛り」を作っておき、後は志望企業により取捨選択など微調整することが必要です。
志望企業が何を求めているのか、どんな人材を欲しているのかをエージェントのコンサルタントから聞き、それに合わせて採用担当に響く内容に調整をします。
(6)更新
転職活動を長く続けていると、自分の所属部署名や仕事が変わることがあります。必ず最新情報に更新しましょう。
また、以前勤めていた企業のスペック(売上、社員数、社名など)も変化します。必ず公式HPを確認し、アップデートしましょう。
これらは、きちんと転職活動に臨んでいるか、応募者の真剣さの判断につながるので油断しないようにしましょう。
書類を通じて、転職に本気で誠実な印象を採用担当に届けることがとても大切です。
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4.職務経歴書は手書きがいいのか?
履歴書は手書きを指定される場合がありますが、職務経歴書は書式自由である場合が多いです。
職務経歴書は手書きを指定されたとき以外はワードで作成しても全く問題ありません。
むしろ、手書きを指定されていないのに手書きで書いた場合、よっぽどワードが苦手なのか?と思われてかえってマイナスに捉えられることもあるので注意が必要です。