りた郎のblog

海、ディンギー(ヨット)、鎌倉、お酒など思いつきブログ

ほんとうの定年後を読んで

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老後のためにどれぐらい貯金が必要か?という話で金融庁のワーキンググループグループの議論結果で2000万必要となって、そんなはずはないということでその時の財務大臣だった麻生さんが報告を受け取らないというばかばかしい出来事があった。

気に入らないから受け取り拒否って何様だよって。

ワーキンググループの長ももうちょっとなんか言ったほうが良いとも思うが、国家権力に逆らうまでの気概はないってことか。

老後、と聞くと何かと暗いイメージつきまとっている気がする。

それは、介護問題とか、介護施設でのあるまじき事件とか、孤独死など、ニュースになるのはいつも不安を煽り立てるような話題ばかりだからであろう。

この本の主張はすごく簡単に言うと、平均的な老後の姿は暗いことばかりではなく、特に定年退職後の就業は現役時代のそれよりもむしろ満足度が高いという前向きなものである。

定年後は現役時代と比較して必要となるお金が少なくなり、生活のために働くという要素が下がり、自分のペースで健康のために、そして社会とのつながりや貢献のために働くような仕事選びができるようになるので、暗いことばかりじゃないよと言う主張である。

また、今後は地域の生活に密着した仕事、それは販売、飲食、運送、建設、介護、農業の仕事などの重要性が相対的に増し(オフィスワークなどは都会のオフィスで集約的に行うことができる、ないしはテレワークなどでどの場所でもできるが、前述の仕事は生産と消費が必ず各地域にて行われなければならない、労働人口が減りそれらの担い手が少なくなってくる)、その担い手として定年後の高齢者の就業の重要性が高くなると述べている。

具体的な統計調査、ちゃんとしたアンケート調査に基づく論であり、なるほど納得度が高い。

著者が言う、その「地域に根ざした小さい仕事」で老後の働き手は自身の豊かな生活の実現と社会への貢献を両立し、そしてそれによって社会も成りたつ。

現役時代の長く続く仕事を終えた後、自身のその時々の状態にあった無理のない仕事に誰しもが巡り会うことができる社会。

大前研一は老後は自分の専門能力を活かした高度な仕事をすべく前々から準備すべし、との論調であったが自分としてはこの本のような働き方の方が合っていると感じた。

社会的な地位はそれほどでもなくて良い、重い責任や成果へのプレッシャーから解放された、自分のペースでできる自分らしい仕事。

それによって社会と繋がりを持ち、社会貢献をする(もちろん、高齢者になってもバリバリ働ける能力と体力がある人は、そのまま突っ走っていただければ良いが)。

ここまでは本の内容だが、そこから自分が思ったことは、

・現役時代に無理しすぎて体と心をボロボロにしてはいけない(老後に働ける健康な体と何かしたいと思う気力が何よりも重要)

・キャリア上の過大な夢は捨て、楽しく仕事をする方向を模索し始める

・今、不自由なく動ける体と現在の経済力でできる、楽しいこと、やりたいことをやり尽くす

である。

以上