作者の気持ちはわかる。
ただ、正直今の大学生や高校生にはあまりピンとこないのでは?と言うのが一番の感想である。
この本の主張は、端的に言えば以下の4点だと思う。
①今の大学教育は間違っている。より社会が求める知識・スキルを身につけられる教育内容にすべし
②今の大学選びも間違っている。より社会で何をするかを考えてそれに沿った大学選びをすべし
③大学では専門知識と英語をしっかり学び、ディベート力、雑談力もつけるべし
④夢を持って必死に頑張れ、そうすれば夢はきっと叶う
という内容である。
で、どうも今の大学生に合わないなーと感じるのは、
・だから筆者が理事長を務め、現在世の中に求められるスキル、知識、経験が得られる京都先端化学大学は素晴らしい
・私は今までハングリー精神を持って人一倍の努力をして成功できた。だからみんなもそうすれば必ず成功できる
と言う、かなり自分視点でマッチョな思想がそこかしこに表出しているからだと思う。
作者が言う、知的ハードワークは結局は肉体的ハードワークなしには実践できないのではないか?
この本は仕事での個人の成功が目的に置かれているが、今の大多数の若者が求めているのはワークライフバランスやプライベートを含めたトータルでの幸せではなかろうか?
生産性向上はもっと会社が儲けるためだけではなく、ワークライフバランス向上の為でもあると思っているのではなかろうか?
起業を目指すレベルには理解されるが、そうでない人にはピンとくるのか?
今の若者には一体何が刺さるのか、改めて考えさせられる1冊だった。
以上