いわゆる「駆け込み寺」であった東慶寺である。
HPの案内には「東慶寺は鎌倉時代の弘安8年(1285)に開創された臨済宗円覚寺派の寺院です。女性から離婚できなかった封建時代に、当寺に駆け込めば離縁ができる女人救済の寺として明治に至るまでの600年間、縁切りの寺法を引き継いできました。」とある。
以前にも来訪したことがあったが、今回は時間をかけてじっくりと拝観する。
訪れたのは6月の末だったのでまだアジサイが咲いていた。
入口の門。なんとこれ以降は撮影禁止である。
文学にゆかりの深いお寺で、文学碑や文人などの墓も多い。
岩波書店創業者の岩波茂雄のお墓もある。
境内は切り立った深い緑の谷の中にある。
とても静寂であり、草木が風に揺れると音と、鳥たちの鳴き声しか聞こえない。
境内奥の墓地で静かに佇んでいると自分が自然の中に溶け込んでいくような感じがする。
そしてお墓に祭られている方々と同じ世界にいるような感覚になり、思わず合掌したくなるのである。
「人は仏心の中に生まれ、仏心の中に生き、仏心の中で息を引き取る。 生まれる前も仏心、生きている間も仏心、死んでからも仏心、仏心とは一秒時も離れていない。」という朝比奈宗源老師の言葉が、少しわかった気がした。
合掌