金龍山宝戒寺。
鶴岡八幡宮からほど近い場所にある。
鎌倉では比較的珍しい天台宗のお寺である。
鎌倉幕府2代執権の北条義時がこの宝戒寺のあたりに屋敷を建て暮らしていた。
その後14代高時に至るまで当主はその屋敷で暮らしていたという。
新田義貞らの鎌倉攻めにより、高時はじめ一族870名余りがこのかつての屋敷から近い東勝寺に逃げ込み自害し、鎌倉幕府は滅亡した。
滅亡した北条氏の霊を弔い、国家を支える有能な人物を育成する修行道場を置くため、後醍醐天皇が足利尊氏に命じて北条氏の屋敷跡に建立させたのが宝戒寺の始まりだそうだ。
こじんまりとした境内だが四季折々の草花が咲く。
本堂を隠すほど茂っているのは萩で、夏の終わりから秋にかけて花を咲かせる。
そのため宝戒寺は萩寺とも呼ばれている。
ご本堂の中は撮影禁止であるが、中に入ってお参りできる。
このお寺の一番の魅力は、祀られている数多くの仏様を本当に間近でお参りできることだろう。
畳に正座して合掌すれば、なんとも言えずありがたい気持ちになるのである。
御本尊は子育経読地蔵大菩薩(こそだてきょうよみじぞうだいぼさつ)(国重要文化財)である。
人の世の儚さと、諸仏の慈悲を感じつつ、心静かにお参りしたいお寺である。
合掌